ベトナムのインターネット速度と海底ケーブルの関係性について

2015年8月17日ベトナム旅行/ベトナム生活

モバイル速度の事情

2016年から4Gの試験導入が始まり、2017年、Viettel、mobifone、FTP、GTel Mobile(Gmobile?)が4Gを展開しています。2020年現在、Viettelをはじめ、複数社が5Gの試験運用を開始、

固定回線は日本より速度対費用が高い

私のオフィスで契約している回線はViettelとVNPTです。

ともに光回線の数十MBで数万円かかる。

日本では光回線の論理値最大1Gbpsが家庭用に数千円で契約できるので…そこから考えるとびっくりするくらい高い。

以前何かで調べたところ、世界でもとびぬけて平均速度が高いようです、日本では。

そこまで回線大きくしてどうするの…ってくらいに。

ただ将来の構想で5G+ウェアラブル、VR/AR(MR)、IoTが浸透していけば、回線を改めて分厚くする必要もないので、すんなり入っていける。

ベトナムの海底ケーブル事故について

海底ケーブル一覧

Submarine Cable Map

上記マップを見ると、ベトナムがどういった海底ケーブルと接しているかがわかります。

なお、どの海底ケーブルを使えるかは、契約プロバイダによって異なるはずなのですが、上記マップではそこまではわかりません。

SeaMeWe-3

1999年9月開通。ベトナム中部を経由。

欧州から韓国・オーストラリアまで。残念ながら日本までは直結せず。

Asia-America Gateway(AAG)

2009年11月開通。ベトナム南部を経由。

アメリカ・香港・東南アジアをつなぐ。

Asia Pacific Gateway (APG)

2016年11月に開通。ベトナム中部を経由。

日越直結!!

これが開通してからは、格段に日本へのアクセスが安定しました。ベトナム南部を経由してくれていればもっとありがたかった。(私はホーチミン市在住です)

Asia Africa Europe-1(AAE-1)

2017年7月開通。ベトナム南部を経由。

香港からインド、エジプト、フランスまで至る。

日本とは接点がありませんが、海外へのアクセス経路が増えれば増えるほど、ネットワーク全体の渋滞状況が改善されていくはずです。

未開通 Southeast Asia-Japan Cable 2 (SJC2)

2021年終盤に開通予定。ベトナム中部。

日越直結!!

開通が楽しみです。しかしCOVID-19による工事の遅れが出ていたりするのでしょうか。

未開通 Asia Direct Cable(ADC)

2022年終盤に開通予定。ベトナム中部。

日越直結!!

Tata TGN-Intra Asia(TGN-IA)

謎です。2009年3月に開通と表記されていますが、マップを見ると、どうも未完成っぽいです。線が通っているところすら、すでに使われれているのかどうか…。

多発するケーブル破損事故

2016年11月にAPGが開通し、ベトナムと日本が直結しました!

海底ケーブルの経路や混雑回避策が充実してきたようで、一つ二つ断絶したぐらいでは、大きい影響を感じにくくなってきました。

私がベトナムに来た2013年から2015年の中頃まで、海底ケーブルが頻繁に断裂してネットワーク障害…と呼べるレベルのネットワーク遅延がありました。
関係当局の努力のおかげで、最近は安定してきています。

実は日本-ベトナム間の海底ケーブルが頻繁に破損するわけではないのですが、海底ケーブルが破損すると、それまで海底ケーブルを通っていた通信が別ルートを模索し、その結果、日本向けのアクセスをも混雑させる=低速化させる、という関係性だと思います。

近年、基本的にはインターネット回線は安定しているように感じます。

日本人の場合は日本サイトにアクセスすることが多いので、日本から来た直後だと遅く感じるのは仕方ないでしょう。また、DNS の設定を日本のサーバにしている場合などは、そりゃ日本を経由したら遅くなるのは当たり前なので、つながりにくいのは自分の設定のせいである場合もあります。

モバイル回線

モバイル回線は、2016~17年あたりにベトナムでも4G(LTE)が普及しました。2020年現在、5Gの試験運用が開始されています。

4Gが普及するのは遅かったのですが、ただの3Gではなく、けっこう速い3Gがありました。

今、自分が使っているのはmobifone というキャリアなのですが、当時、E < H < H+ という変速式の表示で、 通常の3Gがどれにあたるのか。詳しいことはよくわからないです。

論理速度

回線速度について一番速いプランで60MBps くらいなので、 日本に比べると遅いなという気がしてしまうのですが、 論理値で100MBps だとしても実測では10MBpsがそこらということもよくあります。論理速度はあまりあてになりません。

なお、60Mbps プランを契約している会社オフィスで実速度を計測したら論理値に近い数字が出ました。

ネットワークが遅いと感じる場合に考えられること

問題の可能性 1

契約している回線が安いので単純にキャパオーバー

解決

自分の意思で変更できる場合は変更する。

変更できない場合は家主にお願いしてみる。

問題の可能性2

ルータのキャパオーバー

解決

回線がパンクする前にルーターがキャパオーバーすれば入り口で糞詰まりになります。

いったんルーターを再起動(スイッチのOn/Off または電源ひっこぬいてもう一度指す)してみる。
これで一時的に改善するなら、ルータが問題またはルータのキャパオーバーである可能性が考えられます。

その場合、

余分な接続やアクセスを減らす(スマホの自動接続や)

しかしサービスアパートでアクセスポイントを共有している場合、なんともコントロールしきれない。

5Ghz対応ルータを買う

有線では速いがWi-Fiが遅い場合、他の電波の影響で速度が落ちている可能性があります。

昔というか現在でもすでに設置されてしまっているWi-Fiルータは、2.4Ghzです。

2.4Ghzは家電を含め多くの電波とかち合い、減衰しやすくなります。

5Ghzのルータなら、衝突しづらいため、速度が維持されます。

ただしお使いのパソコン、スマホが古いと、5Ghzに対応していない可能性がある。

ルータの設定を変更する

これは難易度が高いです。まずルータが柔軟な設定ができる高品質である必要があり、何をどう改善すればいいかは知識と経験が必要。設定を変更したところで大して効果はないかもしれない…。そもそも、自分のルータでなければ、勝手に設定変更もできない。
などなど

問題の可能性3

DNS 設定はどうなっている?

解決

日本からもってきたパソコンやスマホは日本のDNS を利用するようになっているかもしれません。

DNS とは各ドメイン(URL)が物理的にどのサーバのことなのか、を記録しているサーバです。

よく開くサイトではそのDNS から取得する情報はパソコンにキャッシュ(保存)しているのですが、初めてアクセスするようなサイトでは、一度DNS をチェックしますので、例え表示したいサーバがベトナムにあったとしても、一度日本への通信が発生してしまうことになります。

なので、DNS をGoogle の8.8.8.8, 8.8.4.4 に設定することをおすすめします。
Google の8.8.8.8, 8.8.4.4 は世界各地に点在しており、それらのIP アドレスを選択すれば、Google が近くのDNS に通信できるようにしてくれます。

問題の可能性4

自分の利用している端末(PC, スマホ)が遅い

解決

自分の利用している端末やアプリケーションが遅いだけの場合もあります。

問題の可能性5

というか、そもそも接続先サーバが重い。一時的なものなら我慢。恒常的なものなら…。
国内では気にならない遅延要因であっても、物理的距離が出ることで積み重なってしまい、極端に遅く感じることはあります。
海外からアクセスしたり、海外のサーバにコンテンツを置くことも普通になった昨今、サイト作成では内部的なストレス低減だけではなく、トラフィック抑制への強い意識が必要ですね。