ベトナムにおける日本の電化製品の位置づけ

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ベトナムで日本の電化製品はどう受け止められているでしょうか。

私はマーケティングの専門家でもないし、なにか調査をしたわけでもありませんが、執筆時点で10年間近くホーチミン市に住んでいます。

Made in Japan 神話

Made in Japan神話は健在です。日本製品というだけで信頼度が高まります。

しかし、総じて「高い!」という印象。

金額(品質)の幅広さ、宣伝の量、選べる商品数などから、ベトナムでは韓国製品の方が強いように感じます。

日本の電化製品で印象値トップシェアなのはデジカメ(Canon)とエアコン(Daikin/Panasonic)くらいでしょうか。

日本製品のもったいない点

  • 高い!
  • 商品種類が少ない
  • ベトナム語の説明書がない
  • 日本ときめ細やかさがない

日本製品はとにかく「高い」という印象があります。

日本国内に比べ、商品の種類が少ないから、「これならちょうどいい!」というのを選べない。
日本製品と海外モデルは異なります。

ベトナム語の説明書がない場合も多い。※近年は改善?
東南アジア向けなので日本語の説明書もなく、日本人すら困る。
高い上に使い方がわからないのだから、だれが買うのかという…。

日本国内のきめ細やかな機能は東南アジア向けにあまり反映されておらず、なぜか大雑把なものが多いです。
最新機能の搭載が1年程度遅れるのは仕方ないとしても…。
細かい例でいえば、ハンディクリーナーは別として、大型の掃除機のホースの取っ手側に電源ボタンのあるモデルはベトナムで見たことがありません。
なんというか、東南アジアで買えるのは日本製品の劣化版という感じ。結果、中国や韓国のブランドと大差がありません。
というか、実際、韓国、中国の高級ブランドは日本製品と見劣りしません。広告・宣伝の作り方も見た目も高級感があって、うまい。

ベトナム国内の電化製品は、実際にはどれこもこれも同じようなものなのに、日本製品は韓国製品よりワングレード金額の高い印象があります。
韓国製品・中国製品の場合、お手頃な価格帯の商品も一緒に陳列されている…というのが味噌です。

日本国内向け製品と同等のものを作っても高くてだれも買わないかもしれません。でも、それでも良いので、「これが日本製品のきめ細やかさ」という一点をディスプレイ目的で陳列するだけでも、日本ブランドコーナーへの注目度がガラリとかわるように思います。

近年はECサイトの勃興により、ベトナム語での詳細な説明が可能となり、だいぶマシになったようには思います。ただ、何度も言いますが、韓国・中国ブランドと印象としては大差がないのです。

  • 「Japan Quality」神話は健在だが、その具体性がない。
  • 日本製品は高いという思い込みが流布

なんかよくわからないけど品質がよいらしい。そういった曖昧な観念なので、日本製品を買って得られる具体的な恩恵を実感できません。高いから自分に関係なよねで調べる以前に選択肢から外れてしまいがちなのではないでしょうか。

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