ベトナムのお葬式。汗だく。白装束。
ベトナム人の妻の祖父母が続けて亡くなり、昨年後半と本年前半に親族側でお葬式に出席させてもらいました。
仏式です。
もちろん家庭によると思いますが、日本よりも仏教が大事にされ、お坊さんの地位がかなり高いように感じました。
特徴
– 白い装束を着る
日本のように黒スーツではないです。
全身白い装束を着ます。
◯親等によって着るものが違います。
子は帽子みたいのをかぶります。
あと、装束の背中にびらびらした布切れがついています。
孫と曾孫は鉢巻です。
子の配偶者も帽子みたいのをかぶります。
◯男性と女性とで帽子が違います。
男性は板前さんみたいな帽子。
女性はヴェールみたいなあたまにかぶせるもの。
◯長男とそれ以外とで着るものが違います。
なんか色が違うみたいです。
– 日本より儀式の回数が多い
家庭によると思いますが、亡くなってから5日間程度、1日に2~3回の儀式があります。
1回について30分から1時間くらいです。
儀式の最中は立って座ってお辞儀して、立って座ってお辞儀して、が何回も発生します。
必須ではないですが、立ち膝の人もいます。
床はじゅうたんではなくタイルなので硬くて痛いです。
葬式は妻の実家で行いましたが、冷房がないので汗だくになりました。
– 接待が大変
2、3時間じゃないですよ。
3日半くらいずっとですよ。朝から晩までお客さんがきます。
日本でも親族が接客したりはしますが、ずっとです。
妻の実家のケースでは、その実家の庭でお客さんに飲み食いをしてもらっていたのですが、おじさんたちが人の家の庭に空き缶を投げ込んだりしていて、なんなんだろなと思いました。
– お経が歌っているみたい
なんか、歌みたいです。楽器も入ります。もちろん木魚の話ではありません。
逆に木魚はなく、チリーンと音がなるものと、ぽんぽんぽんとなる何かです。
付き添いのお弟子さんもいて、よく合唱みたいな感じになります。
妻に日本ではこんな感じ、と「なーんみょーほーれん…」と言ったら、「歌ってんじゃん!」みたいに言われました。
なるほど、慣れない外国語だからそう感じてしまうだけみたいです。
ちなみに、外国語のせいでそう感じただけかもしれませんが、なんか若い衆が2、3周り年上であろうアシスタント?のおじさんに偉そうな態度をとっていたりして、いやだなと感じました。
ここでアシスタント、といったのは、お坊さんではないのですが、世俗にいながらもお坊さんのお手伝いをするおじさん、おばさんがいて、そういう人たちです。
正式にどういうのかわかりません。
– 日本ほど神妙でない雰囲気
葬式の場で、日本の葬式は笑顔を出していいのかという、よく考えたら謎の気遣いもありますが、参加した葬式ではそういう気づかれはほとんどありません。
もちろんお経の最中に大笑いするとかはありません。
最低限のTPO はあります。
ただ、これは悪口になってしまうのでしょうか。
なんか、日本に比べると、親族に対する気遣いにかけているように感じます。
たぶんベトナムでは親族が主役なのではなく、まさに亡くなった方が主役なのでしょう。
亡くなった方のためにどれくらいの人が集まるか、親族がどれくらい熱心に働くのか、偉いお坊さんがお経をあげにきてくれたら、それこそです。
だからこそ、線香をあげにきてくれたお客さんは、むしろ「お客様」です。
来てやったんだぞ。
少し過度な表現かもしれませんが。
お坊さんはお坊さんではなくお坊様です。
※ただ偉いお坊さんほど逆に、気遣いや謙虚な姿勢があるようではあります。
日本では、あえて言い切ってしまいますが、なくなった方はなくなったんです。
残された親族こそ気を遣うべき相手だろうと。
日本だとそういう考え方が根底にあるような気がします。
良い悪いではなく、その考え方に気づいて少し腑に落ちました。
◯火葬ではなく土葬
◯土層の際、墓まで親族で歩いてついていく
棺桶は車です。
移動の最中、あの世でつかうためのおもちゃのドル札を道路にばらまきます。
だれが片付けるのかすごい気になりました。
日本と同じ点は、線香、香典、花を送る場合がある(どういう花を送るかの決まりはあまりないみたい)、お経をあげる、長男がメイン、といったあたりだと思います。
自分で参加してみてわかりました。
ベトナムに来て、葬式でなんで一週間も休むのかな?と不思議に思うことがありましたが、大変です。
親戚が集まって早朝から深夜まで働き詰めで協力しあっている時に、仕事だからといって途中で帰れないです。
これはベトナムの文化を理解してあげないといけない。