Khôngの発音|ベトナム語の「いいえ」
外国語を学ぶにあたってYes/Noは非常に重要。
しかしベトナム語のNoは”không”。
日本人にとって、簡単に発音できる単語ではありません。
ベトナム語初学者のみならず、これから学ぶ人にとっても、khôngは日本語にない発音を勉強するとっかかりとしてうってつけです。
khôngを一つ一つ分解して見ていきます。
Khôngはコンではない
Không をむりやりカタカナにするとコンですが、カタカナ発音してしまうとconになり、まったく違う単語になります。
conは主語の一つとなる場合もあります。
よって、ベトナム語初学者が否定のつもりでコンコーと言ってしまうと、con cóとなり、真逆に肯定となってしまいます。
Khôngの発音は非常に重要ですので、ちゃんと練習しましょう。
ベトナム人の発音
Không có
Con có
TOPIC 主語の省略は極力避けよう
日本語は頻繁に主語を省略し、文脈や状況から相手に想像で判断させます。
まして、ベトナム語は主語の種類が多く、anh/chị/em/con/chú/cô/ông/bàと多種多様にわたり、しかもこれでもまだごく一部であり、その上地方によって違うケースもあります。
なので日本人はついつい主語を省略します。
ベトナム語でも主語の省略はありますが、日本語ほどではありません。
日本人がベトナム語を話す際、主語を省略してしまうと、もともと主語の省略に慣れていないだけではなく、日本人のたどたどしいベトナム語では想像で補うのは非常に困難です。
主語を省略した場合のデメリットだけではなく、主語を毎回つけることで、発音が不正確でも相手が想像で補いやすくなる利点があります。
例えば、前述のkhông cóと言ったつもりが、ベトナム人はcon cóと聞き取るのも、主語をいれ、con không cóといえば文法から想像が効くようになるのです。
ただ、ベトナム語がたどたどしければ、間違えてconを二回言ったと思われてしまうかもしれませんが…。
Khの発音は有気音
ベトナム語には有気音、無気音があります。
khは有気音でkは無気音です。
有気音・無気音の区別がある言語は割と多く、日本語と非常に似ていると言われる韓国語にもあります。
有気音・無気音は外国語習得に欠かせませんので、じっくり練習しましょう。
Khはkに比べて、息を吐き出すように発生します。
よくある練習方は、口の前にティッシュをなびかせ、khの発音時はフッと息で動く。kの時はティッシュが動かない。
そのイメージです。
練習中は、わりと大げさかなと思うくらい息を吐き出して構いません。
実際にベトナム人と話す時に大げさに息を吐き出すと、伝わらないか、そうでなくとも奇妙に思われます。息を吐くのに一生懸命だと、ツバも一緒に飛んでしまいます。
まあしかし、初学者なので仕方ありません。
まずは慣れることです。
まずは極端に練習して口を慣れさせ、実際にベトナム人と会話していく中で、ちょうどいい加減を身につけていくしかありません。
ベトナム人の発音
Khôngの発音
Ôの発音
Ôは日本語のオよりも若干口をすぼめます。
Oは日本語のオと同じか、少し大きめに広げます。
ただ、ôとoの発音が区別できなくても、悩むことは実はあまりありません。
それよりも、以下のngと組み合わさった時のôngが肝心です。
とはいえ、区別できるにこしたことはないので、練習はしておきましょう。
Ôはoよりも口が狭い。ちなみにêも同じです。Êはeよりも口を狭く発音します。Âとaの違いも同様です。傘があれば口を狭く、で一度に覚えてしまいましょう。
-ngの発音
-ngと-nの違いを日本人は聞き分けることができないため、発音も非常に難儀します。
しかも、-ngは前につく母音によっても、発声が異なるため、ますます混乱します。
ここでは、ông以外のパターンも学ぶことで、頭を整理できるようにします。
Ôngの場合の発音
Khôngはこのケースですね。
Khôngは、最後に息を吐き出しながら口を閉じます。
ベトナム人にôngの発生方法を聞くと、「最後に口が膨らむ」と言います。
私も最初は意味がわかりませんでした。
ここで重要なのは、口を「膨らませる」のではなく、息を吐き出しながら口を閉じることで「膨らむ」ようにすることです。
ただ口を閉じて、意識して口を膨らませるだけでは、まったく意味がありません。
息を吐き出しながら口を閉じることで、自然とほっぺたが膨らみます。
ここで注意が必要なのは、khôngはkhで有気音だから口が膨らむわけではありません。
有気音ではないcông tyのcôngも口が膨らみますし、子音のないôngも同様です。
まずはôngで練習し、口を閉じた時に自然と口が膨らむのを確認しましょう。そして、口を閉じる瞬間はまだ発声が続いていることを意識します。
あとは、慣れるために繰り返すだけです。
Ong/Ungの場合の発音
Ôngよりも息を弱めに吐く、つまりあまり口を膨らませないようなのですが、強弱はさほど意識しなくて良いと思われます。
Ôngと同様に口を閉じることの方が重要です。
Ông/Ong/Ung以外の場合
上記の3つのケース以外は、-ngの発音を-nと区別する必要はありません。
つまり、口を閉じません。
ではなぜ書き分けが必要なのか。
詳しいことはわかりませんが、昔は区別していたが、現代では同一かしてしまっているケースの一つではないでしょうか。
日本語でも、「じ」と「ぢ」の書き分けや、なぜ「は」を「わ」と読むのかと言った不一致がありますね。外国語にもそういったケースはあります。
ベトナム人ネイティブ発音の聞き取り
本文中にも掲載しましたが、再度復習のため、ベトナム人による発音の音声データを掲載します。
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