ベトナム人との付き合い方の前提|ベトナム人と日本人の国民性の違いとは?
ベトナム人…むしろ外国人との付き合い方の前提
近年、日本でもベトナム人の姿を見かけることが多くなったと聞きます。
ベトナムへの転勤や事業立ち上げはもちろん、日本側職場へのベトナム人の受け入れ、ベトナム人が同僚になった、近所にベトナム人が移り住んできた…など。
ベトナム人とのつきあいに不安をかかえ、より理解を深めたいと考えている人が、このページに目を通していることと思います。
私はベトナムに住み、ベトナム人の妻と暮らし、ベトナム人と働いています。
ベトナム人と一緒に暮らす、ベトナム人と共に働く。
未経験からのスタートでした。
私はベトナム人を理解し真の国際交流を果たそうというだとか、そんな高尚な使命感があるわけではありません。
結婚生活のため、また、職場での円滑なコトロールのために、相互理解の必要に迫られた、ただそれだけです。
必要に迫られての経験ですので、強気で言えます。
ベトナム人の特徴…、全体としての「傾向」は、たしかにあるでしょう。
しかし、全体の傾向と個人は別物です。
私がベトナムに来た当時、ベトナムに数年来住んでいる「先輩」日本人の話を何人も聞きました。結果、当時は私自身がわからないことだらけだったので、いろいろな「ベトナム人は…」に翻弄されました。
参考意見を述べるのも、参考意見を聞くことも、まったく否定しません。
私も、参考意見を求められたら自分の意見は述べます。
ただし、自分が言えるのは、あくまで「自分の意見」です。
それを忘れないでほしいです。
他人の意見はあくまで参考。自分の目で見たこと、感じたことを一番に信じるべきです。
本文では、抽象的ながら、ベトナム人と接する上での留意点を記載します。
ベトナム人というよりは、異文化コミュニケーション全般に共通することかもしれません。
拡大解釈を避けよう
日本人が日本人を「こういう人だよね」と評価する際、10人に話を聞いて、10人が100%合致することはありえないと思います。
同様に、一人二人から「ベトナム人とは」という話を聞いただけで、「ベトナム人はみんなこうだ」とならないように気をつけなければなりません。
ベトナム人だから?それとも、その人だけ?
この話はベトナムでビジネスを行う前提で述べますが、さまざまなケースにあてはまるものと思います。
私自身、最初の時期は、社員の考え方や行動に疑問を感じたとき、ベトナム人だからなのか、その人だからなのか、で悩むことは多々ありました。
最終的な解決方法は、「これが当社のルールだから」で判断を下していくべきだ、ということです。
ベトナムだからとか、日本だからとかは、会社ルールとは無関係な話ですからね。
もちろん、現地の法令を遵守し、ある程度、一般慣習を理解した上である必要があります。
ただ、不思議に思うことがあった場合、なぜその人がそう言うのか、少しずつでも、その背景の追求はする方が、お互いに理解・納得ができて良いかと思います。
宗教上の理由であれば、やはり考慮が必要ですし、そもそも生活インフラの常識が日本とは大きく異なるので、その社会背景の違いも考えるべきかと思います。
ヌーハラ対クチャラー
ベトナム人は口を開けて物を食べます。
悪く言えば、いわゆる「クチャラー」。
これは果たして"マナーが悪い"のでしょうか。
一時期話題になった「ヌーハラ」。
一部の外国人からしたら、TVCMで流すのは不快だと。
これをもって「日本人はマナーが悪い」とされたら、多くの日本人はどう思うでしょうか。
「郷に入れば郷に従え」
そのとおりではあると思います。
あくまで文化の違いであり、マナーの良し悪しと断ずるべきではない。
「ここは日本だ」
まさしくそのとおり。
ベトナム人のクチャラー文化もまたそうです。
クチャラーを「マナーが悪い」と断ずるのは、異国文化蔑視にほかなりません。
あくまでも、文化の違いです。
不快に思って陰口を叩くくらいなら、まず文化の違いを当人に教えてあげるべきではないでしょうか。
例えば、隣に移り住んだベトナム人がルールを守らない。
では、だれかがそのルールや、日本式のマナーを教えてあげたのか。
生活環境が違えば、「当たり前」が違います。
日本には、日本人自身でさえ、説明の難しいマナーがあります。
例えば、なぜ電車で電話をしてはいけないの?
はたして、日本に住むなら、そういったルールをすべてわかっていて当たり前なのでしょうか。
一度自分が外国に住んでみてください。
日本の文化風習を理解し、完全になじんでいる外国人が、いかにすごいかがわかります。
勉強したくても、ネットやガイドブックには、ただしい生活習慣は書いていません。
私がネットやガイドブックで調べた「ベトナムのマナー」は、実際ベトナムに住んでみると、ウソだらけでした。
会社設立当初、わからないことだらけだったので、自分は「当然」と思うことも伝わったように感じず、ストレスだらけでした。
ベトナム人社員も、私が何を言いたいのかわからず、ストレスが多かったことでしょう。
「なぜこんなことをするのか?」
「なぜ理解してくれないのか?」
しかし、相手の言動・行動にストレスを感じても「なぜそうしたのか」がわかれば、解消されることが多いかと思います。
…ただ、仕事ならまだしも一般生活では、その「なぜそうしたのか」を理解するためにコミュニケーションを取るきっかけが、一番難しいのだと思います。
ここで伝えたいのは、「ベトナム人はマナーが悪い」と決めつける前に、「単純に日本のマナーを知らないだけかも」と考えてほしい、ということです。
だれかから聞いた話、本で読んだ話をコピーしているだけでは?
自分の浅い知識・経験を人から聞いた根拠薄弱な話で補って、話してしまう…。
だれしも、そういうことはあると思います。
最近は減ったかもしれませんが、以前、頻繁に聞いた「ベトナム人の特徴」が、
- ベトナム人は目先のことしか考えない
- 自分が楽しければそれでいいと思っている
またこれか!と。
しかし実は私も、「そういう傾向はあるかも」と思ってしまっていた時期はあります。
だけれども…。
ベトナムで会社をつくり、ベトナム人と結婚し、ベトナム人についてだんだんわかってきました。
ベトナム人の傾向と呼べるほど多くの人が「長期的視野がない」とは感じない。
だからなぜ「目先のことしか考えない」と思うのか不思議に思って、根拠となる具体例をあげてもらうと、
「ベトナム人は目先のことしか考えないから、給与につられて転職する」
という回答が、思いの外多かったりします。
しかし、将来のことを考えると転職しないのでしょうか?
将来を考えるから転職するのではないでしょうか?
少なくとも、長期的視野とは関係ないのではないでしょうか。
例えベトナムに長期在住している先輩であっても、たいした根拠なく物事を断じていることは多々あります。
ベトナム国内のマナー
食事マナー
特にありません。
しいてあげると、お客さんを料理でもてなすとき、食べきれない量で「お腹いっぱい」食べてね。
日本人は残したら悪いと思って、ばくばく食べるのですが、おーおーそんなにお腹がすいているんだ、もっとあるよと、どんどん勧められてしまいます。
勧められると断れない日本人。さらに満腹の無限地獄です。
いつも以上に、ゆっくり味わいながら食べましょう。
- 音を立てるのは極端でなければ問題ない
- 食器に口をつけてスープを飲むのもかまわない
なお、ベトナム人は通常口を開けたままかむので、日本人には咀嚼音が気になるでしょう。
ネット上で見つけた情報では、中国人はくちゃくちゃ音を鳴らすのが、おいしく食べている印象を与えるとか。ベトナム人もそうなのかもしれません。日本人にとっての、麺をすする音と同じことですね。
私は、ベトナム人がやっているのは、これは一般的なご当地習慣なので気になりません。が、逆に私自身も、現地の風習にあわせません。口を閉じて食べます。
口を閉じたらマナー違反ということもないですが、そのせいでご飯が口の中にあるときに話しかけられると、無視しているみたいになって焦ります。
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