ベトナムの昼寝文化

2019年2月21日仕事

日本にはあまり昼寝文化はありません。

しかし近年、「シエスタ」という言い方で、昼寝の効能が評価されてきていますね。

ベトナムでは昼寝は一般習慣としてあります。

もちろん人によって昼寝をしたりしなかったりするのですが、昼寝をすること自体は普通です。

そして、オフィス環境は昼寝をする人にあわせます。

  • 昼寝をする人のために消灯する
  • 昼寝をする人のために大声で話さない

これは、まだベトナムに慣れていない日本人から見ると、少々奇異にうつるかもしれません。

なぜベトナム人は昼寝をするのか

それが普通だから…というしかないのですが。

私はベトナム人の妻の実家に何度も泊まり、生の生活の実態を見ているので、だいたい予測がつきました。

日光が強い

とくに南部地域なのですが、ベトナム在住の方はご存知の通り、昼間は殺人的な日光です。

紫外線の強さは日焼けを気にするレベルではありません。

病気が心配になるレベルです。

現地に住んでいるベトナム人が日光を避けるために長袖を着るくらいですので、熱帯地域の素人である日本人が、「日焼けなんて平気だよ!」と脳天気なことを言っている場合ではありません。

よって、昼間は外に出る時間を…ゼロにはできないが減らし、暑い時間帯を扇風機とともに寝てやり過ごします。

朝が早い

また、ベトナム人の女性…特に田舎になると大家族の朝ごはんを準備したり家事をするため、非常に早起きです。

妻の母なんかは5時代に起きるのが普通で、早朝に目を覚ましてトイレに行くとすでに活動を始めていてびっくりします。

朝が早い分、昼寝で睡眠時間を補います。

また、暑さ対策の昼寝により、家事をする時間が減るので、早起きをせざるをえない→昼寝→早起きをせざるを得ない…という循環にもなっていると思われます。

昼寝に関する留意点

上記のように昼休みは昼寝をする前提の人が多いです。

前半30分でご飯を食べて、残りでお昼寝…という具合です。

ご飯食べた直後に横になると体に悪いよ、という考え方はベトナムにもあるらしいのですが、休憩時間は一般的には昼にとるものなので、いたしかたありません。

で、留意する点はなにかというと、昼寝をする前提でいる人もいるので、一緒にご飯を食べていても、自分が食べ終われば席を立ちます。「もっとおしゃべりしようよ」などと、無理に相手を引き止めないこと。

ベトナム人は一人で昼寝をしていても寂しくはありません。寝たいから寝るだけです。お話したい気分ならば、心配せずともお話を続けることでしょう。

個人の時間である休憩時間に、「おしゃべりする方が楽しいだろう」という決めつけ=余計なお世話はしないことです。

昼寝を受け入れる方法

頭では「習慣なんだから理解せねば」「短時間の仮眠は業務効率にいいらしい」と考えてはいても、不慣れなものを目の前にすると、どうしても拒絶反応をおこしてしまいます。

休憩時間内のことであれば、昼寝しようがしまいが個人の勝手であることは確かなので、以下のように、徐々に受け入れていきましょう。

理由を理解する

上記のように、昼寝が当たり前の環境で育つ人がほとんどです。
自分自身が寝る、寝ないにかかわらず、周囲に寝る人がいるのは普通です。

特に、ホーチミンの標準的な勤務開始時間は日本よりも早いですね。

1時間かけてバイクで出勤している人さえいます。

それはたしかに、昼寝もしたくなるでしょう。

昼寝が当たり前となるにいたる理由がわかれば、受け入れやすいものです。

昼寝はシエスタである

昼寝と言わずシエスタと呼びましょう。

なんだか、ハイソなかっこいいものに感じます。

むしろ会社の魅力の一つにする

弊社は40名ほどの社員に対し、折りたたみベッドを3つ購入しました。

また、床にマットを引いて寝るのも容認しています。

何より「シエスタタイム」といって、昼休みとは別に自分の判断で休憩時間を30分取れるルールを作りました。

社員のため…ひいては業務効率のためなのだけど、ルールを作っても使われずに寂しい気持ちになることはよくありますが、シエスタタイムは予想に反して人気です。

13:00から取得し、実質昼休みの延長として利用する人が多いです。

業務的に問題はあるかというと、ほとんどの人は業務の都合を優先してくれますし、そもそも物理的に40人全員が眠れるスペースはないのです。

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