ベトナム人との付き合い方の前提|ベトナム人と日本人の国民性の違いとは?

2015年9月7日ベトナム人と日本人の国民性の違いとは?

近年、日本でもベトナム人と接する機会が増えました。職場で同僚になった、近所に引っ越してきた、ベトナムに転勤・赴任した――。そうした場面で「どう付き合えばよいか」と不安になる人も多いと思います。

私はベトナムで生活し、ベトナム人の妻と暮らし、ベトナム人と働いています。未経験からのスタートで、理想論ではなく、生活と仕事を回す必要に迫られて学んできました。

本記事で伝えたい結論はシンプルです。

「ベトナム人はこうだ」と決めつけない。違いを感じたら、まず“その人”と“状況”を分けて考える。

以下、具体的に整理します。


1. 「国民性」で説明しすぎない

ベトナム人に限らず、外国人との付き合いで起きやすい失敗は、少ない事例から一般化してしまうことです。

  • たまたま出会った数人の印象
  • 誰かから聞いた「〜らしい」話
  • ネットの“それっぽい”まとめ

これらは参考にはなりますが、それだけで結論を作ると、相手理解ではなく先入観の強化になりがちです。

「ベトナム人だから」ではなく「その人はなぜそうしたか」

職場で特に悩むのが、行動の理由が

  • ベトナムの文化・慣習なのか
  • その個人の性格・経験なのか
  • 会社の制度・指示が不十分なのか

分からないケースです。私も最初はここで迷いました。

このとき有効なのは、判断の軸を国ではなく“ルール”に置くことです。

「これは当社のルールだから」

国民性の議論は、会社の運用ルールとは別です。もちろん現地法令や一般慣習の理解は必要ですが、最終判断を「国の違い」に逃がすと、基準が曖昧になり、運用が崩れます。

一方で、相手の背景(宗教・家庭事情・生活インフラの違い)を少しずつ把握すると、不要なストレスは減ります。


2. マナーは「善悪」ではなく「文化差」で起きる

日本で当然のマナーが、外国人にとって当然とは限りません。逆も同じです。

象徴的なのが、食事中の音や食べ方です。ベトナムでは、口を開けて食べる人も多く、日本人から見ると気になることがあります。

ここで大事なのは、不快=相手が悪いと直結させないことです。

日本でも、麺をすする音が海外で不快と受け取られることがあります(いわゆるヌーハラスメントの議論)。同じ構図です。

「郷に入れば郷に従え」は正しい。ただ順序がある

生活の場が日本であれば、日本のルールに合わせてもらう必要はあります。ただし、次の順序を踏まないと摩擦が増えます。

  1. 知らないだけかもしれない
  2. ルールやマナーを説明したか
  3. それでも改善しないなら、そこで初めて対応を考える

「守らない=非常識」と決めつける前に、「教える機会があったか」を確認した方が、関係は壊れにくいです。

日本には、日本人でも理由を説明しにくい暗黙のマナーが多いです(例:電車内通話が嫌われる理由を論理的に説明するのは意外と難しい)。だからこそ、外国人が最初から完璧に適応するのは簡単ではありません。


3. よくある「ベトナム人論」を鵜呑みにしない

以前よく聞いた断定に、たとえば次のようなものがあります。

  • 「ベトナム人は目先のことしか考えない」
  • 「自分が楽しければそれでいい」

こうした言い方は強く印象に残りますが、根拠が曖昧なまま流通していることも多いです。

例えば「給料につられて転職する=長期視野がない」という説明を聞くことがあります。しかし、転職はむしろ将来を考えての選択でもあり得ます。ここを短絡的に「国民性」で片づけると、実態を見誤ります。

国民性の話は、便利な説明に見えて、問題解決にはつながりにくい。
必要なのは、現場の条件(評価制度・賃金水準・採用市場・期待値の共有)を見直すことです。


4. ベトナム国内のマナー(生活で困りやすい点)

ここでは、生活面で誤解が起きやすい点だけ挙げます。

食事で「もてなし」が多いとき

来客時、食べきれない量を勧められることがあります。日本人は「残すのは失礼」と思って頑張りがちですが、食べ続けるほど「もっと食べられる」と受け取られ、勧めが増えることもあります。

対策:ゆっくり食べ、早めに満腹サインを出す。無理はしない。

食べ方の細かい所作

  • 音を立てることへの許容が日本より広い
  • 器に口をつけてスープを飲むのも一般的
  • 咀嚼音が気になる場合がある

自分が合わせる必要はありません。相手の文化を尊重しつつ、自分は自分の食べ方を保って問題ないことが多いです。


まとめ:うまくいく前提は「決めつけない」こと

ベトナム人との付き合い方で重要なのは、テクニック以前に前提です。

  • 少数事例で一般化しない
  • 「国民性」より「その人の事情」と「状況」を見る
  • 職場では“国の違い”ではなく“ルール”を軸にする
  • 生活マナーは、まず説明の機会を作る

この前提があるだけで、不要な摩擦はかなり減ります。